介護送迎ドライバーとして人の役に立ちたいと思ったAさん

フリーターだったAさん

Aさんは高校を卒業してからしばらくは接客業のアルバイトで生計を立てていました。大好きな音楽活動に没頭する日々でしたが、ある時に「このままではいけない」と思い立ち、人の役に立つ仕事をしたいと考えるようになりました。最初は車が好きという理由でバスの運転手やタクシードライバーの仕事を探していましたが、テレビで介護送迎ドライバーの特集を目にしたことをきっかけにこの仕事に興味を持ちました。高齢者を車に乗せて運転することの難しさや多くの働き手を必要としていることを知り、自分もこの仕事で人の役に立ちたいと思い、介護送迎ドライバーを目指すことを決めました。
現在の職場で働くことを決めたのは、自分にとって最も働きやすい環境があったためです。最初のうちは失敗することもありましたが、その度に先輩職員が優しくフォローしてくれました。また、同年代の職員が多く、明るい雰囲気で仕事ができる点も今の職場の魅力だそうです。今でも仲間たちと月に数回飲みに行き、親睦を深めています。馴染みやすい環境があることが、今の仕事の満足度につながっているようです。

転職時に困ったことや今のやりがい

転職する際に困ったのは、「面接時に自分の思いを上手く伝えられない場面が多かったこと」だそうです。これまでフリーターとして生きてきた自分にとって、仕事に対する熱意をどのように伝えればいいか最初は分かりませんでしたが、「人や社会の役に立ちたい」という強い気持ちがあったため、折れることなく転職活動を進めていくことができました。何度か面接を重ねていくうちに徐々に自分を表現できるようになり、成長を実感できたそうです。人間としての成長を感じられたという意味でも、転職を決意したのは正解だったとAさんはいいます。
介護送迎ドライバーとして経験を重ねた今でも、この仕事の難しさを痛感する日々だそうです。車を運転するだけでなく、身体の不自由な人の気持ちに寄り添う姿勢が大切だとAさんは感じています。例えば、乗り降りの際に手を差し伸べたり、ブレーキを優しく踏むといった些細なことを含め、気遣いの心を持つことが重要だといいます。この仕事の最も大きなやりがいは利用者からの感謝の言葉だそうです。「いつもありがとう」「送ってもらってありがとう」といった何気ない一言が、日々のモチベーションにつながっています。Aさんはこれからも、多くの利用者のためにこの仕事を続けていきたいと考えています。